なぜ血抜きをするのか?
なぜ内臓を早めに出すのか?
なぜまな板をこまめに洗うのか?
それは基本的に
1.臭みの発生を抑制するため
2.可食部を衛生的に保つため
です。
解説します。ヨイショ
1.臭みの発生を抑制するため
シンプルに血とか内臓はくせえ!!!!!
っていうのは食べてもらえたらわかると思うんですけど(暴論)
単純な臭い移りを防ぐ以外にも、できるだけ早く血や内臓を除きたい理由があります。
別の記事でも取り上げましたが、<参考記事>
トリメチルアミンという魚の生臭さの原因物質があります。
この物質は微生物が魚に元々ある成分を分解しながら繁殖することで増えていきます。
そしてその微生物は筋肉の部分より血液や内臓部分に多く生息しています。
それ以外にも脂質が酸化することで生み出されるカルボニル化合物も臭みの原因とされています。
こいつもまた血や内臓が処理されていないと増えます。
血液に含まれるヘム色素等が脂質の酸化を促進し、臭みを生み出してしまいます。
(特にEPAやDHAといった脂質は酸化が進行しやすいため注意が必要です。)
故に、血や内臓をとっとと取り除きたいんです。
魚はそのまま放置すればするほど生臭さが強まっていきます。
鬼の形相で取り除きましょう。
2.可食部を衛生的に保つため
トリメチルアミンを生成する微生物以外にも衛生を犯す微生物の野郎はたくさんいます。
先程、微生物は筋肉の部分より血液や内臓部分に多く生息していますと記載しました。
何故そこに微生物が居るのか?それは繁殖に有利だからです。
つまるところ、死んだ魚の血や内臓は微生物のゆりかごなのです。
そしてこの事実を逆説的に言うと
「筋肉の部分は微生物が生息しにくい環境であり、比較的綺麗」
ということになります。
しかし、時間の経過によって筋肉の部分にも微生物や微生物の産生物が侵入してきます。
可食部を守るためにも食べない血や内臓はとっとと取り除こう!!!!
筋肉を守れ!!!
参考文献
平塚 聖一, 羽田 好孝, 小泉 鏡子(2016). 脱血処理がカツオの臭い成分に及ぼす影響(日本水産学会誌82 巻 1 号 p. 28-32)
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