冬のひだまりがことのほか暖かく感じられる寒冷の候、皆様におかれましては、いよいよご壮健のこととお慶び申し上げます。
いずれ来たる就職活動に向け、ブログの冒頭は毎度時候の挨拶から始めたいと思っております。魚料理研究会です。拝啓敬具。
さて、今回のブログの内容はTwitterでも予告致しました通り、11月29日の活動報告です。
11月の活動で捌いたのは
イラちゃんです。いぇいいぇいいぇい!(ごり押し)
皆様はイラというお魚、ご存じでしょうか。
「はい我はご存じ!」という方は器用に読み飛ばしてください。
今回の料理対象種であるイラは主に南日本の岩礁域に生息するお魚で、
釣りでは外道と扱われることもしばしば。
外道と言えど、あくまで釣行における“目的の魚ではない“というだけのこと。
美味しいかどうかは別問題です。
そう、このイラちゃん、
食用としては優秀なのであります。(当会比)
分厚くしっかりとした身質で、淡く甘みのある上品な白身が楽しめます。
それに加えて皮の部分もおいしく同じベラ亜目のベラやブダイと比較すると丈夫なので
皮目を活かした調理もおすすめ!
何よりコスパが
最the高。
三枚におろした時のお得感がコストコで買えるZiplocくらいあります。
ということで今回はこのイラちゃんを使って、3班に分かれて
「冬っぽい」
をテーマに調理を行いました。
~調理編~
イラは鱗がとても大きく、
包丁で削ぐようにして鱗を取りました。
ん~見た感じ3m巨人の爪くらいの大きさはありますね。
そして各班イラの下処理を終えた後は・・・・
野菜とかの下ごしらえをしたり
白い粉をまぶしたり、オリジナルの蒸し器で蒸し焼きにしたり
目線をそらしつつも職人のような手さばきで大根おろしを大量生産したり、
料理の相棒でもある包丁と真剣に向き合ったり(物理)
サムズアップをしたりして…
料理が完成!
~完成編~
完成した料理をご紹介!
まずは1班から!
~イラのみぞれ鍋~
イラの「クセの無さ」を上手に利用した一品。
アラまで無駄なく使用し、イラのうまみをぎゅっと閉じ込めました。
そして何より盛り付けが
めっちゃかわいい。
大根おろしで作られたシロクマ、星型の人参、飾り包丁の入ったしいたけ…
こだわりが感じられます。
(この班は唯一男子だけで構成されていました。女子力。)
次に2班!
イラの酒蒸しトマトソースがけ
~スープとポテトを添えて~
この班は豪華に3点セット!
イラを丸々使い、かつ3品それぞれにテーマの一貫性をもたせたことで
ワイルドかつオシャンティーな料理を実現。
手前にあるスープは「フィスクシュッペ」と呼ばれるノルウェーの料理です。
※癖の強いくしゃみの音ではありません。
「フィスク」は魚、「シュッペ」はスープという意味。
現地でもアラから出汁を取って作るようなので、ノルウェー版アラ汁のような感じでしょうか。
生クリームの風味も効いてまろやかな仕上がりに。
最後に3班!
イラのベニエ
~無限の可能性を探せ~
初めて目にした方も多いのではないでしょうか。
ベニエは「揚げた生地」という意味を持つフランス料理です。
各地でアレンジがなされており、中の具材に何を入れるかは極めて自由!
この班はこのベニエでイラに合う具材を模索することにしたようです。
具材はじゃがいも、パイナップル、マイタケ、白菜の4つ。
ソースはオーソドックスなケチャップに加え、ホワイトソース、赤ワインソース、ミニョネットソースの4つを準備。
結果は意外なことに、
パイナップル×イラ×ミニョネットソース
の組み合わせが最も人気でした。
臭みが少なく、フワフワとしたイラの身質がパイナップルのジューシーさと合い、
ミニョネットソースのビネガーで油っぽさが軽減された結果となりました。
果物×魚…
意外とアリな組み合わせかもしれません。
チャレンジ精神豊富な読者の皆様も試されてはいかがでしょうか。
最後に
今回使用したイラの旬は
晩秋から春にかけてです。
中々お目にかかれない魚種ではありますが
旬も長く、高くはないお魚ですので、
スーパーや魚屋さんなんかで見かけたときはぜひ食べてみてくださいね!
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